マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第28作となるスーパーヒーロー映画。
監督はホラー映画の巨匠サム・ライミ。主演はベネディクト・カンバーバッチ、共演にエリザベス・オルセン、ベネディクト・ウォン他。
5月4日より公開。
この記事には複数の作品のネタバレが含まれています!
あらすじ
空間にゲートを開けてマルチバースを横断する能力を持つ少女アメリカ・チャベスが、ストレンジのいるユニバースに現れる。
魔物に襲われていたアメリカを助けたストレンジだったが、彼女は別のユニバースでその世界のストレンジに助けられており、そのことをストレンジ自身も夢で知っていた。
マルチバースの脅威を知るストレンジは、アベンジャーズの仲間であるワンダ・マキシモフの力を借りるため、彼女へ会いに行くが、ワンダこそが今回の事態を引き起こした張本人だった。
自らの現実改変能力で2人の息子を得たワンダだったが、結局子どもたちを失うことになり、失意の底にある時、世界を滅ぼすほどの力を持つ魔法書”ダークホールド”を手にしたことにより、
その邪悪な力に心を奪われてしまい、別次元に存在する息子たちを手に入れるため、アメリカの次元を横断する能力を奪おうとしていたのだった。
ワンダからアメリカを守るため、カマー・タージでワンダを迎え撃つストレンジと魔術師たちだったが、強大な魔力を持つワンダの前に魔術師たちはほぼ全滅してしまうが、
絶体絶命の時アメリカの能力が発動し、ストレンジとアメリは別のユニバースへ逃れることに成功する。
その世界ではドクター・ストレンジはサノスとの戦いで命を落とし、英雄として人々の尊敬を受けていた。
しかし2人はかつての仲間で現在は敵となった元カマー・タージの魔術師モルド(正確にはこのユニバースにおけるモルド)に捕らえられてしまう。
そしてサノスを倒したヒーローチーム”イルミナティ”によって、ヒーローとして命を落としたストレンジの真相が語られるのだった。
MCUの新たな段階
てっきりストレンジとワンダが協力してマルチバースの脅威に立ち向かうのかと思いきや、まさかまさかのワンダが悪役という展開。
狂気の形相でアメリカを追いかけ迫ってくるところ、特に閉じ込められた鏡のような空間から這い出してくるところは、
まさにホラー映画の演出そのもので、サム・ライミ監督の経験が生かされている。
かつてトビー・マグワイア主演の『スパイダーマン』も大ヒットさせており、こういったジャンルの作品は合っているのかもしれない。
『ノー・ウェイ・ホーム』だけでなくワンダ・マキシモフを主人公とした配信ドラマ『ワンダヴィジョン』の後日談ともなっている他、 昨年配信された『ロキ』『ホワット・イフ…?』もマルチバースを題材としており、『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降、 フェイズ4ではこのマルチバースが1つのテーマとして作品が展開されていくものと思われる。
さらに別ユニバースという設定を生かして、新たなヒーローの登場や、本来はありえない設定の登場人物たちもお目見えした。
既存の登場人物としてはペギー・カーターの別次元バージョンであるキャプテン・カーター(『ホワット・イフ…?』)、ブラックボルト(『インヒューマンズ』)、キャプテン・マーベル(キャロル・ダンヴァースではなく、キャロルの親友マリア・ランボーのバージョン)が出てきた他、MCUとしては初となるリード・リチャーズ(『ファンタスティック・フォー』)とプロフェッサーX(『X-MEN』)が登場した。
過去に同役を担当した俳優が演じており(リード・リチャーズは未確認)、ディズニーが20世紀FOXを買収したことによって権利問題をクリアしたことが、大きく影響しているようだ。
長年MCUを見続けてきた古参のファンにとっては様々な作品や設定が複雑に絡み合う展開は楽しいだろうが、 かなり予習と復習が必要なシリーズとなってしまったことで、初心者が参入しづらいという状況が生まれており、 これが最終的にシリーズの失速に要因とならなければいいと要らぬ心配をしてしまうところではある。
事前に予習しておくべき作品
他作品とのつながりが多いため、事前に予習しておいたほうが、より作品を楽しめる。■必須
『ワンダヴィジョン』
■見ておくとより楽しめる
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
『ホワット・イフ…?』
『ロキ』
■時間があれば
『エージェント・オブ・シールド』第4シーズン
『インヒューマンズ』
『X-MEN』シリーズ
『ファンタスティック・フォー』
上記作品はDisney+で視聴できます。