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シー・ハルク:ザ・アトーニー 第8話「ケロケロ ジャンプ」

ネタバレあり

あらすじ

“リープ・フロッグ”と名乗ってヒーロー活動を行うユージーン・パティリオは、 スーツの欠陥が原因で足に火傷を負ったとして、製作者のルーク・ジェイコブソンへの訴訟をGLK&Hへ依頼してきた。
ルークにスーツを作ってもらっているジェニファーは利益相反になるとして、担当を変えるようホリウェイに頼むが、 ユージーンの父親が大口顧客であることやユージーンが担当にジェニファーを強く希望していることから認められず、 渋々引き受けることになる。

ルークとの関係を壊したくないジェニファーは和解を提案するが、 自身の製作物に絶対の自信を持つルークは和解を拒否、裁判で決着をつけることとなった。
ルークの弁護を担当するのは、ニューヨークで活動する盲目の弁護士マット・マードック。 マットはユージーン側の要求したルークの顧客開示請求を却下するよう、巧みな弁舌で裁判長を説得し、 さらにユージーンがスーツの取り扱い規定を守らず、危険な方法で使用していたことを突き止めたことで、 訴訟は却下される。

敗訴しバーで意気消沈するジェニファーにマットは声をかけ、二人はいい雰囲気になるが、 マットは仕事のトラブルで先に帰ってしまい、ジェニファーもいけ好かない過去のデート相手トッド・フィリップスの呼び出しを受ける。
ワカンダの槍の購入トラブルにかこつけてジェニファーを呼び出したトッドだったが、セクハラまがいの態度を取ったために、 ジェニファーは怒って帰ってしまう。
しかし自宅に着くや、ユージーンから何者かに襲われていると助けを求められる。

立体駐車場でユージーンに追いつくと、ユージーンはデビルのコスチュームを着た男に襲われそうになっていた。 ユージーンを逃し敵と戦うジェニファー。
相手を倒しマスクを剥ぎ取ると、正体はなんとマット・マードックだった。 マットは”デアデビル”と名乗ってヒーロー活動を行っており、 ユージーンがルークを誘拐して新しいコスチュームを無理やり製作させようとしていたため、 救出に向かっているのだという。

真相を知ったジェニファーはマットともにユージーンのアジトに向かう。 隠密に事を進めようとするマットと、正面突破で敵をなぎ倒していくジェニファー。 2人は無事ルークを助け出すと、意気投合しそのまま一夜を共にした。

翌日ジェニファーの年間最優秀女性弁護士の受賞式に出席したジェニファーだったが、 式の最中、何者かによって会場のモニターがハッキングされ、突然彼女のプライベートな映像や中傷する映像が流れ出した。 怒りのあまりモニターを破壊したことで会場は大混乱に陥り、逃げ惑う招待客の中にいた怪しい男を捕まえるが、 ジェニファーは警官隊に囲まれてしまうのだった。

登場人物

■マット・マードック/デアデビル
昼は弁護士、夜は悪魔のコスチュームに身を包み、犯罪者と戦うスーパーヒーロー。
幼い頃事故で視力を失ったが、代わりに視力以外の感覚が超人的に発達した。
数十メートル離れた人間の鼓動を聞くことができ、 匂いを嗅ぐだけで物質の構成成分を判断することもできる。 料理に使われている食材を当てたり、 体臭から前日に何を食べたのかを当てたこともある。 身体能力もずば抜けており、パルクールのような身のこなしで自在に動き回り、 多数のギャング等を相手に1人で戦い抜けるほどの格闘技術を持っている。

元々はNetflix製作のドラマ『デアデビル』の主人公。
『デアデビル』もMCUの一作品であるにも関わらず、長らく他のMCU作品とのつながりはなかったが、 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にマット・マードックがカメオ出演、 さらにデアデビルの宿敵キングピンも『ホークアイ』に登場し、作品同士のつながりが深まってきた。

■ユージーン・パティリオ/リープ・フロッグ
カエルのスーツに身を包んだ男。
本人はスーパーヒーロー気取りだが、ゴロツキを従えて ルークを誘拐する等、やっていることは完全にヴィラン。
スーツはルークに作ってもらったものだが、正しい使用法を守らず、 ブースターにジェット燃料を使用したため、スーツに引火して足に大火傷を負ってしまった。

感想

デアデビルがようやく登場。
Netflixからずっと見てきた者としては嬉しい限り。 わざわざ『デアデビル』のオープニングテーマまで流してくれるファンサービス。
嬉しいのは間違いなく嬉しんだけど、なんかキャラが妙に明るくなっている。 これは『シー・ハルク』という作品全体のトーンだから、まあしょうがない。
あと赤と黒で暗めにまとめていたコスチュームも、今回赤と黄色(ケチャップとマスタード)という変な配色にされてしまっているが、 これは原作のオマージュらしい(原作読んでいないから知らないけど)。
ネットで出回っていた画像を見たときは少々不安だったけど、実際には夜や室内のシーンがほとんどで、 思ったほど違和感はなかった。

デアデビルの新作『Daredevil Born Again』が2024年初頭に予定されているが、 Netflix版のようなダークな作風で作ってもらいたい。
今回は『シー・ハルク』への客演という形だったので、それに合わせた明るめのキャラでもいいのだが、 ハードボイルドなNetflix版が傑作だっただけに、キャラ変は勘弁してほしい。
あとストーリーには直接関係ないが、デアデビルの正体がマットであるとジェニファーにバレるシーン、 会話している2人の後ろに『ホークアイ』に出てきたミュージカル『ROGERS THE MUSICAL』の看板が見える。

今回さらっと出てきた「ソコヴィア協定の廃止」。
協定によって無許可のヒーロー活動が禁止されるため、 今後MCUの展開的に足かせになるという事情から廃止されたことにしたのだろうが、 協定を巡ってヒーローたちを真っ二つに割る内紛に発展したほどの重大な出来事だっただけに、 廃止について今後詳しく描かれることはあるのか。
それともしれっと今回の説明で終わりにして、今後は触れないのか。
推進派だったロス国務長官は中の人が亡くなってしまったので、 ロス自身も劇中で死亡したことにして、「推進派のロスがいなくなったことにより廃止になった」 というメタ的な設定にするのかもしれない。
今回『シー・ハルク』としてのストーリーはほとんど進んでおらず、 ハルクの血を狙う人物についても、ほとんど明かされていないが、 あと1話で話がまとまるのかちょっと心配なところではある。

他作品との関わり

■ソコヴィア協定
超人的な能力を持つ者や無許可のテクノロジーを駆使して自警団活動を行う者が多数現れたことを契機として、 国連主導で締結された協定。
上記に該当する者たちの登録を義務付け、国連が認可の下にのみ活動を許可するというもの。 登録を拒んだ者や協定に違反して無許可のヒーロー活動を行った者は処罰の対象となり、 ラフト刑務所という専用の刑務所へ収監されることもある。

協定を巡ってはヒーローごとに立場や考えは異なり アベンジャーズ内でも賛成と反対の真っ二つに分かれた。(『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』)
結局反対派は逃亡したり、逮捕・投獄され、 クリント・バートンやスコット・ラングのように司法取引で一般社会へ戻った者もいる。

上述の通り、『シー・ハルク』時点ではすでに協定は廃止されているようだが、 いつの時点で廃止されたのかについて、他作品でも劇中で名言はされていない。
『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』や『アントマン&ワスプ』での描写から、 『インフィニティ・ウォー』開始時点ではまだ存続していたことは間違いないようだ。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でピーター・パーカーはミステリオ殺害容疑で捜査を受けるが、 ソコヴィア協定違反にについて言及はされていない。

『ジェシカ・ジョーンズ』第3シーズンでは、トリッシュ・ウォーカーが犯罪行為を行った後に逮捕され、 おそらくラフト刑務所送りになるであろうことが語られている(ただし協定そのものについての言及は無し)。

『ルーク・ケイジ』ではルーク・ケイジが明らかに超人的な力を使用して活動を行っているが、 これについても特に追求を受けている様子は見られない。

おそらく指パッチン事件と5年後の復活あたりで廃止になったのではないかと思われる。

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